チェンバロとバイオリンのコンサート
いつも天気のよい休日にはカメラを片手に散歩に出かける。そんな散歩コースの住宅街の一角に「松本記念 音楽迎賓館」というところがある。以前から気になっていて、一度中に入ってみたいと思っていた。
入り口からして立派な門構えだ。
ここはパイオニアの創業者の松本望氏の邸宅であったところで、現在は音楽迎賓館として3つのホールを備え、音楽振興のための演奏活動、研修、研究の場として一般に開放している。
入り口の掲示板に4月1日にチェンバロとバイオリンのコンサートの案内があるのが目にとまり、午後2時からのチケットを予約しておいた。
敷地内には庭園があり、桜の咲くこの時期は庭園も散策できる。庭園の入り口には下馬と書かれた石碑が立つ。
庭園内には茶室もあって、有料だが花見客にはお茶をたててくれる。
玄関を入ると、吹き抜けで頭上には美しいシャンデリアがかかっている。
1階の応接室には蓄音機やSPレコード再生装置である名器クレデンザなどが置かれている。
二階へと上がる階段部分にも大きなシャンデリアがあった。
コンサートホールは二階の一番奥にあり、ステンドグラスの窓に音響を考慮された曲線からなる木の温かみのある部屋となっている。本日の演奏はチェンバロが五唐 亜由子さん、バイオリンが神下 絵理さん。曲目はヘンデルのバイオリンソナタやバッハのフランス組曲五番といった古いものから、ヴィヴァルディの四季といった新しいものまで8曲が演奏された。
チェンバロはクラヴサン工房アダチという日本製のものだった。美しい装飾が施され、細いワイヤーが多数張り巡らされている。3列に並んでいる割り箸のような木片の先に金属製のピックがついていて、鍵盤が押されるとそれが持ち上がってワイヤーをはじく事で音が出る仕組みだ。奏者自ら調律をしていた。
部屋の後ろにはシューマッハーというベルギー製のパイプオルガンが置かれている。ステンドグラスを通して室内に入る光が美しい。