我ら星の子
家から診療所までの通勤中私は本を読んでいることが多いが、ここ数日久しぶりに熱中して読める本に出会った。本の題名は「宇宙への秘密の鍵」。理論宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士が娘さんのルーシーさんと共に書いた子供向けの科学冒険小説である。子供にと思って購入したが、私の方が夢中になって先に読んでしまった。
この中に「我ら星の子」という一節が出てくる。このことが真実であることを、私は20年前にブルーバックスの「なぜ地球は人の住める星になったか?」という本で初めて知った。
ウルトラQなどでは、地球上には存在しない物質チルソナイトなんていう物質が登場したりしていたので、それまでの私はきっと宇宙には私たちの知らない物質がたくさんあるのだろうなどと勝手に想像していた。
しかし宇宙物理学によると、宇宙に存在する物質は全て太陽などの恒星の内部で作られたものであるらしい。すなわち恒星は水素で出来た巨大な核融合炉であり、その内部では水素からヘリウム、ヘリウムからリチウム、リチウムからベリリウムと次々と大きな元素が作られ、この反応は鉄まで至る。恒星の内部には鉄のコアができあがっていく。鉄以上の大きな元素は、超新星爆発の時に生成されるらしい。
我々の体を作っている炭素や窒素、酸素、リンなどの原子はまさしく、はるか大昔に恒星の内部で作られたものなのである。我らはまさしく星の子といえるだろう。